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怖かったできごと


オンコロジー(がん治療)の病棟というのは意外と静かで、急変とかは少ない。
病気は重いけど、患者さんたちはきちんと管理されているので、
急変が予測でき、防ぐことが可能だからだ。

だから、この4年半、急変といっても、痙攣とか、敗血症ショックとか、目の前では死に至らないケースしか
見たことがなかった。

日本での5年間の小児病棟経験でも、急変はなかったなあ。私のシフトの時は。


それが、ナース暦ほぼ10年目にして、今朝目の前で起きた。

それも、シフトチェンジの朝7時。

夜勤だった私たちは、レポートをしている最中で、
ちょうど私の番ではなかったので、そのときになったナーシングコールに返事をして、
ある2歳のおとといあるタイプの癌と診断されたばかりの男の子の部屋に行った。

行くと、輸液ポンプがなっている。原因はプレッシャーが高くて輸液ができません、と、表示されていた。
点滴のラインの上に寝てしまっていたりするとラインがつぶされてブロックされ、この警告が出るので、
まだ夜明けの暗い中、手探りでラインを手繰り、男の子の体をすこしずらして問題を解決した。

男の子は、「うーーんうーん」と、うなって嫌がり、それでも上体を上げて体位を変えてくれたので、
問題は解決。私がそのこの体に触れたとき、普通に暖かく、異変はまったく感じなかった。

そして、その部屋をでてステーションに帰り、レポートを続けた5分後。

インターカム(各部屋にインターカムが付いていてモニターができる)から、ものすごく叫び声が聞こえ、
エマージェンシーベルがオンに鳴った。

「shit!!!」と、叫びながらみんながその部屋に向かって走る。
・・・・・と、ここまではよくあることで、こういうベルは大抵興奮したお母さんが間違えておしちゃった、
とか、そういういことがいつもなのだ。それでも、走っている最中に同僚の一人が、

「Somebody grab the crash cart!!!!」と、叫び(だれかクラッシュカーとを持ってきて!)
私は、みんなの列を離れて、クラッシュカート(救急カート)に向かって反対方向に走り、
頭のなかでは、(こんなのもっていっても絶対になんにも起こってないんだって。だって、わたしは5分前にその部屋に痛んだから)とおもいながら、カートをゆっくり押していった。

部屋に着くと、すでに救急心肺蘇生が始まっていた。

その子は、息をしていなかった。

無言のままにそれぞれが配置につく。

最初に見つけたナースが心臓マッサージをし、次に付いたナースがバッグで呼吸を確保し、その次がコードを呼び、そして、その次が母を部屋から連れ出しケアをする。と、この間救急のワークショップで学んだことがそのまま目の前で繰り広げられていく。違うのは、目の前に起こっていることは現実で、私たちは現実に一人の命をうしないつつある、ということだ。私は、最後に付いたナースだったので、モニターをつけたり肺のエアエントリーを聞いたりする役に回った。

shit, fuck, tabarnack, ostie....という悪態が飛び交う中、蘇生は続けられる。

コードがしっかりと呼ばれていなくて、コードチームが到着するのにかなりの時間がかかった。

ICUからきたコードチームが蘇生にまわり、私たちは外野に回る。

30分のすったもんだの末、なんとか、命はとりとめ、ICUに搬送になった。

5分前に普通に息をしていた子が、こんなに急に息を止めるなんて・・・・。私の受け持ちの患者ではなかったけど、夜の間、何がいけなかったんだろう?いったい何をみのがしていたんだろう?あの5分前に何か私が見落としたことがあるんじゃないか??頭の中ではそんな思いがぐるぐるまわり、病院を後にしてもとても眠れる状態ではなく、カフェで朝ごはんを食べて、ちょうど振り出した雪を見ながらとにかく考えた。それでも、なんの答えも見つからない。とても家に帰れる状態ではないので、そのままその日の予定を繰り上げて、クリスマスのショッピングなどを終わらせた。それも心ここにあらずで。。。。

13時に同僚からのテキストで彼がICUで持ち直したことを知り、やっと、ほっとした。
バスの中だというのに、知らないうちに涙がぼろぼろでた。
そしてそのとき初めて、自分がこんなにこの出来事から影響を受けていたことに気が付いた。

本当はものすごく怖くて、あせっていて、自分をせめていたことにもはじめて気が付いた。

それにしてもこれを毎日やっているICUやERはすごい。
どうやって、精神をコントロールしているんだろう。

この子がICUに運ばれた後、一人の同僚はパニックアタックを起こして、安定剤を飲まなくてはいけない羽目になったのだ。それにしても、なんで、この仕事を選んだんだろう・・・・???と思う出来事だった。
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Re: No title

ナスさん、
お返事遅くなりました。最近すっかりブログを放っておいていましたが、これからはもっとまめに更新していこうと思っています。
コメントありがとうございました。日本で看護師をされていたんですね。ケベックで看護師として働くのは、本当にやりがいがあり、面白いですよ。よかったらぜひ、ナースの仲間に入ってください!
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Author:oriental nurse
子どものがん看護、緩和ケアをモントリオールで追求しているオリエンタルナース(東洋人ナース)です。

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